ゼブラスイート(手毬イチジク)

ゼブラスイート

シノニム:BBR, Bordissot Panachee,Panachée,Bordissot Blanca Rimada,Tiger, Tiger,DFIC 2, Bizzarria di Sori? (Read colored notes), Bourjassotte Panachee, Bracotedesco, Calabacita, Carabasseta,Cold: Signora Panachee, Courgetta Rayee, F. pachycarpa var. fasciata Gasparrini, Ficus carica radiata Risso, Figa Turca, Fracazzano Rigata, Jaspee, Limone, Maravilla, Marbled Limone, Pere Hilarion, Panache, Plume, Princessa, Rayonne, Signora Panachee, Striped, Striped Bourjassotte, Striped Tiger, Tiger, Variegato, P.I. No. 86,169, PI 86169
秋果専用
果実の大きさ:40~50g
果皮:黄~緑の縞模様
果肉:薄紅色~濃い赤色
耐寒性ゾーン:7B~(-14.9~-12.2度以南)(北海道南部、東北から関東の山間部)
原産国:フランス

日本では、ゼブラスイート、手毬イチジク、タイガーなどと呼ばれることがありますがスペインでの呼び名が、“Bordissot Blanca Rimada”のようです、葉の形状、果実の違いなどBordissot Blanca RimadaとPanacheのシノニムの論議が5年ほど前にあったようですが、現在は、YouTubeなどを見ても同じ品種として扱われています。。

Bordissot Blanca Rimada、Panache、ゼブラスイートの原産国はフランスなので3品種ともに同じ品種と考えて間違いないと思われます。

私もBBRとゼブラスイートを比較の為栽培していますが、結実に至っていませんが葉の形状を見る限り同じ品種のように思われます。

Bordissot Blancaが突然変異でストライプ模様になりBordissot Blanca Rimadaと名がつけられたようです。
2品種とも(Monserrat Pons i Boscana)氏によって広められた品種で、Bordissot Blanca Rimada,Bordissot Blancaのページの果肉の色など参考にしてください。

  • 果実は、40~50gの中程度の大きさで、果皮は黄~緑の縞模様があり、果肉は薄紅色~濃い赤色です。
    ※収穫期には縞が消えます!
  • 味は、非常にシロップ状で糖度が高く濃厚な甘味があり、酸味とのバランも良い大変風味豊かなイチジクです。
  • 耐寒性:やや強い 耐寒性ゾーン:7B~(-14.9~-12.2度以南)(北海道南部、東北から関東の山間部)
  • 美味しく、結実は良好で毎年良くなり、見た目も縞模様で鑑賞価値もあるので家庭菜園におすすめの品種と言えます。
  • 収穫期は、8月上旬~10月下旬です。

上記に記載したように、Bordissot Blanca Rimada=Panache(ゼブラスイート)は、論議の末に同じ品種と考えられていますが、Coll Dama Variegatoも外観、食味から同じ品種と思われますが、収穫時期の違いから違う品種として扱われることもあります!

ただ3品種とも外観も似ていて、味も大きく変わらない為、同じか、近い品種にあることは間違いないと思われます。


【植え付け・仕立て】

一般的には、イチジクの栽培は、露地栽培・鉢植えともに、一文字仕立てまたは開心自然形が良いとされます。

家庭菜園でゼブラスイートを栽培するときは、栽培場所の広さ、収穫したい量などによって仕立て方を選べば良いと思いますが、杯状仕立てと開心自然形が無難だと思います。

杯状仕立てと開心自然形は、果樹の樹形に関する仕立て方です。杯状仕立てはワイングラスのような樹形を、開心自然形は若木のうちから主枝を3本決め斜め上に枝を伸ばす樹形を指します。

杯状仕立てのメリットは、樹の中心部を空けることで光と風が通りやすくなり、果実の均一な成熟を促し、病害虫のリスクを低減できる点です。蓬莱柿などの秋果に適しています。

開心自然形のメリットは、樹高が高くなりにくく、管理しやすい樹形であることです。剪定の方法は、2年目以降は冬に伸びた枝を切り戻し、各主枝から伸びる枝は結実させるための結果枝として3本残し、他はかきとります。

  • 1年目は実が付きそうになっても摘果し、土台となる樹の骨格を作ることを一番に育ててください。
  • 植え付け時に苗木を高さ50cm程度のところで切り戻し、そこから発生する新梢を自分の作りたい樹姿に必要な数だけ発生させます。その年の落葉後に、伸ばした各枝をさらに30cm程度の長さで切り戻して、結実準備が完了です。


【土壌・肥料・水やり】

  • 地植えは、日当たりの良い、水はけの良い用土に植え、特に植えてから最初の1年は、定期的に木に水を与えてください。通常定植2~3年目くらいから実をつけ始めます。
    ※鉢植えも水はけのよい用土に植えて管理すると、翌年から実を付け始めます。
  • 発芽期の3~4月、特に乾燥する7~8月、9月上中旬は、土の乾き具合を見て5日に1回程度は水やりすると枝が良く伸び、実が甘くなります。
    (※鉢植えでは、4~10月は1日1回、ただし夏には2回行う。冬は7~10日に1回行う。)
  • イチジクはあまり土を選ばないと言いますが、一般的に有機物が豊富で、わずかにアルカリ性で排水と通気の良い土壌が理想的です。
  • 酸性土壌を嫌うのでPH7.0を目標に、冬に苦土石灰などをまいてで調整します。
  • 肥料は5月はじめ【N/P/K=13/10/13の肥料(1~3年150g・ 4~6年450g )】と12月~1月に、有機配合肥料と苦土石灰を1㎡当たり150g施します。
    (※鉢植えでは、植え付け1年目は5~10月まで1~2個。または緩効性化成肥料10~20gを2回。2年目以降は冬に油かすを50g、4~10月には毎月、化成肥料を5g程度施す。)
  • 果実は1枝に8~10個が適当です・実がたくさん付きすぎると栄養不足で成長しないので、早めに摘果します。

【有機配合肥料】

有機質肥料と無機質肥料が混ざっている肥料の事をいいます。 有機質肥料は緩効性肥料が多いですが、無機質肥料は即効性肥料が大半を占めます。 また、土を柔らかくするのが有機質肥料、徐々に固くなっていくのが無機質肥料です。

【害虫・病気・防寒対策】

  • 必ずカミキリムシ(テッポウムシ)予防のために、カットサイドSまたは予防フィルムを、幹に塗るか、見つけ次第捕殺してください。
  • 幼虫は幹に入りおがくずのような糞を外に出すので枝を切り落とすか穴に【スミチオン1000培液】または、【住友化学園芸 殺虫剤 園芸用キンチョールE カミキリムシ 幼虫 退治】などを注入して退治します。
  • 日当たりと風通しをよくして、害虫や病気(さび病など)から木を守ります。
  • 木の周りに防鳥網を設置するなどの鳥害対策、また果実に袋をかけて鳥や蟻から守ることも必要になります。
  • 収穫は、果実が熟して木から落ちる直前が一番おいしいので、熟したものから順次摘み取ります。
  • 耐寒性は強い方ですが、東北から関東の山間部の地方以南以外では、防寒対策が必要になります。
  • 果実は降霜や降雪に遭遇すると果実が成熟しても果皮が硬くなり、食味が落ちるため、収穫時期は寒冷地では10月をめどに考えた方がよさそうです。

【水やり】について

イチジクの生産量第一位が、東ヨーロッパと西アジアにまたがるトルコで、次にエジプト、イランと続くので、乾燥した土壌に適しているように思われますが、それらの地域は、温暖ながら比較的降水量もあり肥沃な地帯なので、イチジクが乾燥に強いというわけでは決してありません。

逆に水は好む性質があるので、発芽期の3~4月、乾燥する7~8月には庭植えでも水遣りをすると枝が良く成長し、実が甘くなります。
※鉢植えでも水はけのよい土と十分な水やりは、生育に大きく影響します。

特に日差しが強く乾燥しやすい夏場は、枯れることさえあるので、水はけのよすぎる土壌や、鉢での栽培では注意が必要です。
※ただし水はけが極端に悪い土壌では生育は著しく劣ります。

【開心自然形】

開心自然形は若木のうちから主枝を3本決め、60度の角度になるように斜め上に枝を伸ばします。 樹高が高くなりにくく、管理しやすい樹形です。新梢が多く出るため、「新梢管理」による樹勢のコントロールが最も行いやすい樹形です。 結果枝も多いため、管理次第で多収につながります。

特に向いている品種

  • 夏果専用品種(コナドリア、キング、サンペドロホワイト、ビオレ ドーフィン)
  • 樹勢が強い品種(ビオレソリエス、早生日本種、イスラエル、カリフォルニア・ブラック、ノルドランド等)
  • 樹勢が弱すぎる品種(セレスト、ショートブリッジ、ブラウンターキー等)
    ※ビオレソリエスは特に着果が難しく、根域制限、環状剥皮などをおこなったり、あまり強く剪定しない方が実付きが良いようです。

杯状仕立て

イチジクを栽培する際に用いられる樹形の一種で、自然に近い形状で樹勢が強く、収量が多いのが特徴です。ワイングラスのように樹の中心部を空け、外側に向かって枝を広げる樹形になります。

  • 1年目の冬に苗木を50~60cmの高さで切る。
  • 2年目の冬に主枝を30~50cmのところで切り戻す。
  • 3年目の冬に1本の主枝から2本の枝を出させて、下から2芽を残して切り戻す。
  • 最終的に全体で15~20本の結果枝を出させて、全体の樹形が杯状になるように仕立てる。

ゼブラスイートなど植え付けの広さなどを考えて仕立てを決めます。

【一文字整枝】

主枝となる2本の枝を「一文字」に伸ばした仕立て方!

  • 1年目は斜め45度にY字に伸ばし、十分に枝が硬化したら曲げたいところにノコギリで下半分を切り曲げれるようにして、水平に誘引する。
  • 水平に這わせた誘引線(またはパイプ)に成長に合わせてこまめに誘引する
  • メリットは、直線的に移動しながら作業ができる効率の良さ。
  • デメリットは、主枝は上面が凍害の被害を受けやすいため、とくに晩霜害の多発地帯では防寒措置が必須。
  • 向いている品種
  • 桝井ドーフィン・ネグローネ・姫蓬莱・バナーネ、ブルンスウィック、カドタ、アーテナ
    ※ネグローネは、一文字整枝すると、収量は2.5倍以上になる。【吉岡国光園
  • 不向きな品種
  • 夏果専用品種(ザ・キング、ビオレドーフィン)
    ※夏果専用品種は、前年の枝に着果する為、剪定で切り落としてしまうため。
  • 樹勢が強い品種(ビオレソリエス、早生日本種、イスラエル、カリフォルニア・ブラック、ノルドランド等)
    ※樹の樹勢がおさまらないため。
  • 樹勢が弱すぎる品種(セレスト、ショートブリッジ、ブラウンターキー等)

イチジク畑のPanache(ゼブラスイート)とBordissot Blanca Rimada

【2023/12/14】
2品種が同じかどうか、土っ子倶楽部さんから購入したゼブラスイートと海外のBordissot Blanca Rimadaとを栽培して比較しています。
結実前なので果実の確認はできていませんが、葉からは同じ品種と思われます。

【2024/9/8】
昨年の冬に撮影した写真より、葉が多く展開しているので参考に掲載しました。
最終的には果実を比較しないと明言はできませんが、同じ品種と考えられます!