ホワイト アドリアチック(White Adriatic)

ホワイト アドリアチック(White Adriatic)

シノニム:Adriatic, DFIC 32, Chico, Fico de Fragola, Fragola, Grosse Verte, Italian Strawberry, Nebian, Ragola, Strawberry Fig, Ventura, Verdone, Igo Berry Tart
夏秋兼用品種
果実の大きさ:60~80g
果皮:黄緑~黄色
果肉:琥珀色~ピンク
Family:Adriatic Family (アドリア海の仲間)
耐寒性ゾーン:8A~(-12.1~-9.4度以南)(中部地方以北地域以南)
原産地:イタリア

  • 果実は、60~80gほどの中~大サイズで、果皮は黄緑~黄色で、果肉はピンク~赤色です。
  • 味は、軽いイチゴの果肉と良い風味が特徴です。
  • 耐寒性:普通 耐寒性ゾーン:8A~(-12.1~-9.4度以南)(中部地方以北地域以南)
  • 樹勢も強く栽培しやすいので、家庭菜園にはおすすめです。
  • 生食はもちろん、乾燥させても、保存してもおいしいく、ジャム、コンポート、クッキー、パン、パイを作るのにも使用できます。特にジャムは極上です。

The Fig Hunterより

アドリア海産イチジクの母樹は樹齢 100 年以上で、かつてイチジク果樹園だった場所に立っています。オーナーは、この木が家族の代々受け継がれてきたことを懐かしく思い出しています。緑色の皮に中~大型のイチジクで、中身は鮮やかな赤色、ジャムのようなイチゴの味がします。あらゆる面で素晴らしいですが、ジャムにすると最高です。乾燥させても同様に美味しいです。

アドリアティックは、1865 年にストックトンの WB ウェストによって英国のナーセリーから導入されたと言われていますが、数年後に GN Milcoによって現在の名前で通っていました。 1884 年頃以来、この乾燥イチジクは今もカリフォルニアの主要な作物ですが、乾燥製品は高品質ではありません。木は生命力が強く、生産性が高く、ほとんど手入れをしなくてもよく育ちます。ブレバは数が少なく、大きく、洋ナシの形をしており、緑色で、濃いイチゴのような赤い果肉とかなり強い風味を持っています。

内陸部の二番作イチジクは中くらいの大きさで、ばらつきはありますが、一般に球形または上部の形をしており、緑色で、明るいイチゴの果肉があり、イチジクの風味が強く、よく熟すと濃厚で美味しいです。種子は多数あり、中空です。沿岸地域の二作目アドリアイチジクは大きく、紫がかった緑色で、内側は血のような赤で、優れた風味を持っています。アドリア産イチジクは中型から大型で、果肉は深紅で、若干の酸味があります。

梨の風味のイチジク!

あつおさんの【イチジク食レポ】ホワイト アドリアチック

果実が大きめな品種。味は【梨の風味】を感じることができる特徴的な味でした。 さらっとした果肉の食感。すっきりとした甘さの大変美味しいイチジクでした。 イチジクの品種本来の味を引き出すには、何年もかかるとも言われます。 今回の食レポは紹介した株であること。また個人の感想となります。

【植え付け・仕立て】

  • 一般的には、一文字整枝または開心自然形が良いとされますが、【果樹苗木にの専門店 LA-FRUTA】にホワイト アドリアチックは強剪定が望ましいと記載があるので、一文字整枝を試してみるのもいいと思います。
  • 1年目は収穫は考えず、土台となる樹の骨格を作ることを目的とします。
  • 植え付け時に苗木を高さ50cm程度のところで切り戻し、そこから発生する新梢を自分の作りたい樹姿に必要な数だけ発生させます。その年の落葉後に、伸ばした各枝をさらに30cm程度の長さで切り戻して、結実準備が完了です。

【土壌・肥料・水やり】

  • 日当たりの良い、水はけの良い用土に植え、特に植えてから最初の1年は、定期的に木に水を与えてください。【ホワイト・アドリアチック】は、実付きが良いので、通常定植2~3年目くらいから実をつけ始めます。
  • 発芽期の3~4月、特に乾燥する7~8月、9月上中旬は、土の乾き具合を見て5日に1回程度は水やりすると枝が良く伸び、実が甘くなります。
    (※鉢植えでは、4~10月は1日1回、ただし夏には2回行う。冬は7~10日に1回行う。)
  • イチジクはあまり土を選ばないと言いますが、一般的に有機物が豊富で、わずかにアルカリ性で排水と通気の良い土壌が理想的です。
    酸性土壌を嫌うのでPH7.0を目標に、冬に苦土石灰などをまいてで調整します。
  • 肥料は5月はじめ【N/P/K=13/10/13の肥料(1~3年150g・ 4~6年450g )】と12月~1月に、有機配合肥料と苦土石灰を1㎡当たり150g施します。
    (※鉢植えでは、植え付け1年目は5~10月まで1~2個。または緩効性化成肥料10~20gを2回。2年目以降は冬に油かすを50g、4~10月には毎月、化成肥料を5g程度施す。)
  • 果実は1枝に8~10個が適当です・実がたくさん付きすぎると栄養不足で成長しないので、早めに摘果します。


【害虫・病気・防寒対策】

  • 【ホワイト・アドリアチック】は、病害虫に強い品種ですので、日当たりと風通しをよくして、さび病などが発生しないようにし、その他は発生したときに対処する程度で大丈夫です。
  • ただし、カミキリムシ(テッポウムシ)対策は必須で、必ずカットサイドSまたは予防フィルムを幹に塗るか、見つけ次第捕殺してください。
    幼虫は幹に入りおがくずのような糞を外に出すので枝を切り落とすか穴に【スミチオン1000培液】または、【住友化学園芸 殺虫剤 園芸用キンチョールE カミキリムシ 幼虫 退治】などを注入して退治します。
  • 木の周りに防鳥網を設置するなどの鳥害対策、また果実に袋をかけて鳥や蟻から守ることも必要になります。
  • 収穫は、果実が熟して木から落ちる直前が一番おいしいので、熟したものから順次摘み取ります。
  • 耐寒性はやや強い品種になりますが、東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南の地域以外では、防寒対策が必要になります。
  • 12月~2月に開心自然形では、込み合った枝を間引きする程度ですが、【ホワイト・アドリアチック】は、開心自然形・一文字整枝法にして強剪定をしても大丈夫です。

【水やり】について

イチジクの生産量第一位が、東ヨーロッパと西アジアにまたがるトルコで、次にエジプト、イランと続くので、乾燥した土壌に適しているように思われますが、それらの地域は、温暖ながら比較的降水量もあり肥沃な地帯なので、イチジクが乾燥に強いというわけでは決してありません。

逆に水は好む性質があるので、発芽期の3~4月、乾燥する7~8月には庭植えでも水遣りをすると枝が良く成長し、実が甘くなります。

特に日差しが強く乾燥しやすい夏場は、枯れることさえあるので、水はけのよすぎる土壌や、鉢での栽培では注意が必要です。
※ただし水はけが極端に悪い土壌では生育は著しく劣ります。

イチジク畑のホワイト アドリアチック

【2023/10/7】
豊産生で多くの実を付けましたが、少し遅かったようで熟すことなく収穫できませんでした。
来年期待しています。