ヌアールK (ヌアールドカロン)

ヌアールドカロン (Noire de Caromb)

シノニム:ヌアールK,ドカロン,スイートカロン,ブラックケーキ,フランソワ, Douqueira negra、Perroquine、Perroquière Monginenco、Violette Perruquine、Argusela、Noire de Caroub,
秋果専用(8/下~9/中)
果実の大きさ:25~70g
果皮:黒に近い濃紺
果肉:赤みがかった琥珀色~濃い琥珀色
肉質:密
耐寒性ゾーン:7A~(-17.7~-15.0度以南)(北海道南部~)
目:閉まっている
原産地:フランス
商標登録名:ヌアールドカロン

強い甘味(最高糖度30度以上)と濃厚な風味、ねっりとした食感で、雨にも強く裂果しない特徴があり、最も甘い優良品種で樹上のケーキとも呼ばれています。

黒いダイヤと呼ばれるビオレソリエスと並び幻のいちじくと呼ばれます。着果が極めて少ないため市場出荷用経済栽培は困難な為、個人の栽培には最高の品種です。

株式会社吉岡国光園が、“ヌアールドカロン”で商標登録をしていますが、期間が10年で延長の申請がなかったため、2024年の現在では消滅しています。

特徴・味・耐寒性

  • 果実は、果実はナス型の25~70gほどの小~中程度の大きさで、果皮は黒に近い濃い紫で、果肉は赤みがかった琥珀色~濃い琥珀色で密でシロップ状です。
  • 味は、最高糖度30度以上にもなることもある極甘品種で、ベリーの豊かな風味がありねっとりとしていてとても美味しいです。
  • 耐寒性:強 耐寒性ゾーン:7A~(-17.7~-15.0度以南)(北海道南部~)
  • 夏果も付きますが、樹勢が強いため落下することが多いようです。
  • 樹上完熟した果実を生食したり、風味と甘さを活かして調理用として、ケーキ、パン、クッキーなどに利用したり、ジャム、コンポートなどにしても素材の良さを実感できる品種です。

来歴 Noire de Caromb ヌアールドカロン

【桝井ドーフィン】の生みの親“桝井光次郎氏”の息子“桝井治氏”がフランスから導入した品種で、南フランス プロヴァンス地方にあるCaromb(カロム)村近郊で盛んに栽培されていることからその名前が付けられました。フランス語を直訳すると“かロムの黒”という意味です。

原産地では“Figue Longue Noire de Caromb”(かロムの黒長イチジク)と呼ばれています。

この品種の起源は正確には分かっていませんが、19世紀にイタリアから持ち込まれたと考えられています。当時、多くのイタリア人が南仏に移住しており、その際に持ち込んだ苗木がカロンブで栽培されるようになったようです。

栽培

  • 結実は他品種より結果年数が1~2年遅いので、樹勢を早く落ち着かせると収穫が早くなりますので、肥料は控えめにして切り戻し剪定は最小限にして育てるとよいです。
  • 日当たりの良い、水はけの良い用土に植え、特に植えてから最初の1年は、定期的に木に水を与えてください。
  • イチジクはあまり土を選ばないと言いますが、一般的に有機物が豊富で、中性からわずかにアルカリ性(pH6.0~7.0)の水はけのよい土壌を好みます。排水と通気の良い土壌が理想です。
  • 春にN/P/K=13/10/13の肥料を木に与えます。(1~3年150g・ 4~6年450g )
  • 日当たりと風通しをよくして、害虫や病気(さび病)から木を守ります。
  • カミキリムシ(テッポウムシ)予防のために、カットサイドSまたは予防フィルムは、必ず幹に塗ってください。
  • 木の周りに防鳥網を設置するなどの鳥害対策、また果実に袋をかけて鳥や蟻から守ることも必要になります。
  • 冬の終わりに木を剪定して、枯れた枝や病気の枝を取り除きます。
  • 耐寒性は強い方ですが、東北から関東の山間部の地方以南以外では、防寒対策が必要になります。
  • 果実は降霜や降雪に遭遇すると果実が成熟しても果皮が硬くなり、食味が落ちるため、収穫時期は寒冷地では10月をめどに考えた方がよさそうです。

ヌアールK/ヌアールドカロンの仕立て 開心自然形

ヌアールドカロンは、中・短果枝に良質の果実がなるのと着果が極めて少ない品種の為、収量が少しでも多く狙える樹形【開心自然形】をおすすめします。

最初の結実は他品種より1~2年遅いので、【開心自然形】にして、樹勢を管理早く落ち着かせると収穫が早くなりますので、肥料は控えめにして切り戻し剪定は最小限にして育てるとよいです。

実を少しでも多く付けるようにする剪定の仕方

通常の冬におこなうのではなく、春に花芽のない枝をしっかりと剪定して、花芽の付いている枝に栄養を集中さすのがいいようです。

他に、ビオレソリエス、カリフォルニアブラックも実付きが悪いですが、環状剥離をおこなうことで実を付けることもあるようです。

桝井ドーフィンのように一文字整枝にするとヌアールドカロンは、樹勢が強いため結実数が少なく、一文字樹形での適応性は低いようです。

一文字整枝は、桝井ドーフィンやバナーネなどの樹勢が弱~中程度の品種に向いた樹形で作業性が最も優れていて、生産性も安定して、ネグローネなどにも向いていますが、ヌアールドカロンには向いていないようです。

ただし、【開心自然形】は新梢が多く出る為、風通しも悪くなるので間引剪定をおこなう必要があります。

【開心自然形】

開心自然形は若木のうちから主枝を3本決め、60度の角度になるように斜め上に枝を伸ばします。 樹高が高くなりにくく、管理しやすい樹形です。新梢が多く出るため、「新梢管理」による樹勢のコントロールが最も行いやすい樹形です。 結果枝も多いため、管理次第で多収につながります。

ヌアールK/ヌアールドカロンの防寒対策

耐寒性【耐寒性ゾーン:7A~(-17.7~-15.0度以南)(北海道南部~)】は強い方ですが、東北から関東の山間部以南の地方では、以下の防寒対策が必要になります。

  • 保護された場所に植える: 可能であれば、風や寒さから保護された場所に木を植えてください。
  • 木の根元にマルチを掛ける: マルチは木の根を断熱し、凍結から守ります。
  • 木の幹を包む: 木の幹を黄麻布またはその他の保護材で包み、寒さから守ることができます。※アルミ蒸着フィルムで樹全体を覆うことにより、高 い防寒効果が得られ、凍霜害を回避することができます。
  • 寒波の前に木に水をやる: 寒波の前に木に水を与えると、根を凍結から守ることができます。

※これらの予防策を講じたとしても、特に若い木の場合、寒さによる被害のリスクが常に存在することを認識することが重要です。 冬の厳しい地域にお住まいの場合は、イチジクの木を鉢植えで育てて、冬の間屋内に取り込めるようにすることを検討するとよいでしょう。

例)収穫量の比較(滋賀県農業技術振興センター)

下記の表のように他の品種に比べヌアールドカロンが生産性が低く、市場出荷用経済栽培に向いていないのがよくわかります

品種樹勢収量(kg/樹)H26(定植2年目))収量(kg/樹)H27(定植3年目)
ヌアール・ドカロン1.42.8
アーテナ5.58.2
バナーネ16.123.6
カドタ 8.711.8
ブリジャソット・グリース4.86.4
ビオレ・ソリエス6.46.2
桝井ドーフィン11.219.6
商標登録 ヌアールドカロン

商標登録と言うのは特許庁の管轄で、あくまでも「呼び名」に関する権利で、吉岡国光園さんは品種を作出した訳では無く、ヌアールドカロンと言う呼び方に権利を持ってるので、同じ品種がヌアールK、ドカロン、スイートカロン、ブラックケーキ、フランソワと言った名前でも流通してて、これは名前が違うので問題にはなりません。

※商標権の存続期間は、設定登録の日から10年で終了します。 ただし、商標は、事業者の営業活動によって蓄積された信用を保護することを目的としていますので、必要な場合には、存続期間の更新登録の申請によって10年の存続期間を何度でも更新することができます。

『種苗法』品種登録

品種登録なのですが、こちらは農林水産省の管轄で、その作物自体の権利になります。
なので、勝手に挿し木や接ぎ木、種蒔き等で増殖すると、多額の損害賠償の対象になります。

育成者権の存続期間は登録日から25年又は30年 です。 ただし、存続期間内であっても、 ・定められた期間内に各年分の登録料が納付され ない場合 ・品種登録の要件を満たしていなかったことが判 明した場合 ・品種登録後に植物体の特性が保持されていな い場合 には、品種登録が取り消されます。

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鳥害注意 鳥にツンツンやられました!

吉瀬園芸 参考になります!

イチジク畑のヌアールK・ヌアールドカロン(Noire de Caromb)