ロングドゥート(Longue d’Aout)・バナーネ

バナーネ・ロングドゥート(Longue D'aut)

シノニム: Longue d’Aout・ロングドゥート・ノルドランド・Nordland、Black、Niagra Black、Nordland Bergfeige
夏秋兼用品種
果実の大きさ:夏果110g~280g 秋果60~130g
果皮:夏 帯緑紫色 秋 紫褐色
果肉:桃色
耐寒性ゾーン:7A~(-17.7度以南)(北海道南部~)
原産地:フランス

“Longue d’Aout”は、フランス語で”8月の長いもの”という意味です。

特徴・味・耐寒性

  • 形状:細長い形をしていて、先端が尖り、果皮は紫色で、果肉は赤紫色です。
  • 味:果肉は非常に柔らかく、非常に甘くて、フルーティーな味わいがあり、皮ごと食べることができます。
  • 収穫期:夏果と秋果があり、夏果は6月下旬頃から7月中旬あたりにかけて収穫され、秋果は8月下旬頃から10月中旬あたりにかけて収穫されます。
  • 生産地:海外ではフランス南部を中心に栽培されていますが、地中海地域全体で見ることができ、非常に美味しくて、季節限定の果物として人気があります。
  • 耐寒性:強い 耐寒性ゾーン:7A~(-17.7度以南)(北海道南部以南~)
  • 生産地:日本では日持ちしないため市場出荷がなく、おもに直売所で販売されています。
  • 保存性:収穫から2〜3日以内に食べるのが最適です。保存する場合は、冷蔵庫で保管し、4〜5日以内に食べるようにしましょう。

桝井ドーフィンの生みの親で有名な“桝井農場”の桝井治氏がフランスから導入した品種で、流通の少ない白イチジクで、甘さ極上級の品種です。

夏果は極大で320gにもなり超ビッグで驚かれると思います。
秋果は130g前後ですが糖度は、23度を超え、酸味は殆ど感じられず、イチジク特有のねっとりとした舌にとろけるような食感と濃厚な甘さが満足感が与えてくれます。
日持ちしない流通の少ない珍しい高級イチジクですが、さらに樹熟させた完熟果は、格別に美味しくご近所さんに喜ばれること間違いありません。

300種以上のイチジクを保有する南フランスのBAUD社が厳選して販売している28種のイチジクの中にも含まれていますので品種の優秀さが伺えます。

現在“バナーネ”の名前で苗を販売している【株式会社吉岡国光園】の評価

吉岡国光園
吉岡国光園

ここ10年近くの間に当農場が諸外国から苦労して導入し、試作した20以上の品種の中で、このバナーネのよさはキラリと光る。~

夏果は超巨大果で果形もユーモラスですが、経済栽培するなら一文字整枝して糖度抜群の秋果だけをねらった方が良く、輸送には向いていないので道の駅などの直売、観光農園または、家庭菜園向きの品種です。

激甘イチジクのTwitterがありましたので参考にしてください!

バナーネ・ロングドゥートとノルドランは同じ品種?

日本では、“バナーネ” “ロングドゥート”と呼ばれていますが、海外のサイトを参考にすると、“ノルドランドNordland”も同じ品種?違う品種?とさまざまです。

園芸ネットが販売している“ノルドランド(Nordland)”は、果実を見る限り海外のサイトのNordlandとは、違うように見えますが?
(商品のラベルには、ノルドランド(Nordland)の記載があるのですが?)

ノルドランドはスイスで改良された耐寒性のある品種で、-15度までの耐寒性があります。また、実付きが良く、幼木のうちから多く結実し矮性なので、家庭園芸におすすめの品種です。

園芸ネット


矮性と記載がありますので、日本のノルドランドと海外のNordlandは、違う品種かもしれません。“Nordland fig”で検索してもバナーネの果実に似たものが出てきますが、園芸ネットの“ノルドランド(Nordland)”とは、まったく違っています?
イチジクのユーチューバー【Figaholic】さんの“Nordland fig”では、NordlandはLongue d’Aoutと同じように見え、大きな果実から非常に大きな果実を生産すると言っています。

スイスでは、“ロングドゥート”のことをNordland(ノルドランド)と呼ばれているようなので?
(二つの品種を栽培していますので、今年中には確認できると思います。)

※私の栽培しているノルドランドは、土っ子倶楽部から購入したものです。

日本のノルドランドは、バナーネとは違う

【2023/9/10】のノルドランドの写真

40gほどでバナーネの半分くらいの大きさですが、大きさ以外はかなりバナーネに似ています。
今年はカミキリムシの幼虫が幹に住みついて樹が弱った為バナーネが結実しなかったので、また翌年に夏果、秋果、また幼果、葉の形状など比較したいと思います。

ネットで両方育てている方は、2品種は違うと言っています!

種苗法の登録品種

バナーネは、「キーエンタープライズ」の登録品種だと記載がありますが、キーエンタープライズは、桝井農場の輸出部門を担当する会社で、桝井農場内にあったそうですが、桝井農場自体が2008年6月頃に廃業されてる様です。

現在は、株式会社吉岡国光園が販売を引き継いでいますが、種苗法の登録品種を引き継いでいるかは不明です。

『種苗法』品種登録と商標登録に違い

商標登録と言うのは特許庁の管轄で、あくまでも「呼び名」に関する権利で、吉岡国光園さんは品種を作出した訳では無く、ヌアールドカロンと言う呼び方に権利を持ってるので、同じ品種がヌアールK、ドカロン、スイートカロン、ブラックケーキ、フランソワと言った名前でも流通してて、これは名前が違うので問題にはなりません。

『種苗法』品種登録は、農林水産省の管轄で、その作物自体の権利になります。
なので、勝手に挿し木や接ぎ木、種蒔き等で増殖すると、多額の損害賠償の対象になります。

育成者権の存続期間は登録日から25年又は30年 です。 ただし、存続期間内であっても、 ・定められた期間内に各年分の登録料が納付され ない場合 ・品種登録の要件を満たしていなかったことが判 明した場合 ・品種登録後に植物体の特性が保持されていな い場合 には、品種登録が取り消されます。

バナーネ(ロングドゥート)【ちゃぼさんのイチジクが参考になります】

イチジク畑のバナーネ・ロングドゥート

【2021年3月】
15Lほどのビニール袋に入った大苗を購入!

【2022年5月】
幹の太さ4cm2mほどに急成長して実を付けましたが、秋果を取り損ねて写真がありません。
今年は、果実の写真を紹介する予定です。