シノニム: –
夏秋兼用品種
果実の大きさ:30~70g
果皮:黄緑の首~濃い紫色
果肉:赤色
耐寒性ゾーン:8B~(-9.3~-6.7度)(東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南)?
原産国:日本
福岡県久留米市で開発された交配育種630個体からの選抜品種で、第4弾として登場した【久留米シリーズ最高糖度!】の品種!
当初販売していたラベルの果実の写真が、実際のものとは違っていて、現在は果実にお写真から葉の写真に変わって販売されています。
特徴・味・耐寒性
- 果実は、30~70gと久留米シリーズの中では少しだけ小さく、果皮は黄緑の首~紫色で、果肉は赤です。
- 味は、蜜のようにとろける食感と甘さが特徴です。
- 耐寒性は、やや弱 耐寒性ゾーン:8B~(-9.3~-6.7度)(東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南)?
美味しかったです♪ 名前に違わない味わいでした!
久留米くろあま VS 久留米ハニードロップ
栽培方法 露地栽培 鉢植え 久留米ハニードロップ
【植え付け・仕立て】
- 一般的には、一文字整枝または開心自然形が良いとされますが、【久留米ハニードロップ】は、まだ情報が少ないので、無難な開心自然形をおすすめします。
- 1年目は収穫は考えず、土台となる樹の骨格を作ることを目的とします。
- 植え付け時に苗木を高さ50cm程度のところで切り戻し、そこから発生する新梢を自分の作りたい樹姿に必要な数だけ発生させます。その年の落葉後に、伸ばした各枝をさらに30cm程度の長さで切り戻して、結実準備が完了です。
【土壌・肥料・水やり】
- 日当たりの良い、水はけの良い用土に植え、特に植えてから最初の1年は、定期的に木に水を与えてください。【久留米ハニードロップ】は、通常定植2~3年目くらいから実をつけ始めます。
- 発芽期の3~4月、特に乾燥する7~8月、9月上中旬は、土の乾き具合を見て5日に1回程度は水やりすると枝が良く伸び、実が甘くなります。
(※鉢植えでは、4~10月は1日1回、ただし夏には2回行う。冬は7~10日に1回行う。) - イチジクはあまり土を選ばないと言いますが、一般的に有機物が豊富で、わずかにアルカリ性で排水と通気の良い土壌が理想的です。
酸性土壌を嫌うのでPH7.0を目標に、冬に苦土石灰などをまいてで調整します。 - 肥料は5月はじめ【N/P/K=13/10/13の肥料(1~3年150g・ 4~6年450g )】と12月~1月に、有機肥料と苦土石灰を施します。
(※鉢植えでは、植え付け1年目は5~10月まで1~2個。または緩効性化成肥料10~20gを2回。2年目以降は冬に油かすを50g、4~10月には毎月、化成肥料を5g程度施す。) - 果実は1枝に8~10個が適当です・実がたくさん付きすぎると栄養不足で成長しないので、早めに摘果します。
【有機肥料】と【化成肥料】
有機肥料とは、油粕や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物(炭酸そのものを除く炭素を含む化合物)を原料にした肥料のことです。
これに対し、鉱物などの無機物を原料として、化学的方法により製造された肥料を化学肥料といいます。
有機肥料の特徴
・全体的に即効性は低く持続性が高い。
・利用することで土壌が改良されるメリットがある。
化成肥料の特徴
・全体的に即効性が高く、持続性は低い。
・微生物の影響を受けず、植物に吸収されやすい。
有機肥料・化学肥料と聞くと、生物由来の素材から作られている有機肥料のほうがいいと思いがちですが、有機肥料は即効性が低く持続性が高い、化学肥料は持続性が低く即効性が高いと、性質が異なりますのでどちらが良いというものではありません。使い分けが大切です。
【害虫・病気・防寒対策】
- 【久留米ハニードロップ】は、病害虫に強い品種ですので、日当たりと風通しをよくして、さび病などが発生しないようにすることが大切です。
- また、必ずカミキリムシ(テッポウムシ)予防のために、カットサイドSまたは予防フィルムを、幹に塗るか、見つけ次第捕殺してください。
幼虫は幹に入りおがくずのような糞を外に出すので枝を切り落とすか穴に【スミチオン1000培液】または、【住友化学園芸 殺虫剤 園芸用キンチョールE カミキリムシ 幼虫 退治】などを注入して退治します。 - 木の周りに防鳥網を設置するなどの鳥害対策、また果実に袋をかけて鳥や蟻から守ることも必要になります。
- 収穫は、果実が熟して木から落ちる直前が一番おいしいので、熟したものから順次摘み取ります。
- 耐寒性はやや弱い品種になりますので、東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南の地域以外では、防寒対策が必要になります。
- 12月~2月に開心自然形では、込み合った枝を間引きする程度で、一文字整枝のように強剪定をしなくても良いと思われます。
【水やり】について
イチジクの生産量第一位が、東ヨーロッパと西アジアにまたがるトルコで、次にエジプト、イランと続くので、乾燥した土壌に適しているように思われますが、それらの地域は、温暖ながら比較的降水量もあり肥沃な地帯なので、イチジクが乾燥に強いというわけでは決してありません。
逆に水は好む性質があるので、発芽期の3~4月、乾燥する7~8月には庭植えでも水遣りをすると枝が良く成長し、実が甘くなります。
特に日差しが強く乾燥しやすい夏場は、枯れることさえあるので、水はけのよすぎる土壌や、鉢での栽培では注意が必要です。
※ただし水はけが極端に悪い土壌では生育は著しく劣ります。