シノニム: –
夏秋兼用品種
果実の大きさ:60~100g
果皮:黒に近い濃い紫
果肉:鮮やかな赤
耐寒性ゾーン:8B~(-9.3~-6.7度)(東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南(花ひろば)
原産国:日本
福岡の久留米で開発された品種で、630個体からの選抜品種で、豊産生で果実が大きく、糖度が高く、耐寒性もあり病害虫にも強いため、特に家庭菜園にはおすすめです!
特徴・味・耐寒性
【商標登録:久留米くろあま】されています!
【久留米くろあま】は、イチジクの鉢植え,イチジクの苗,イチジクの実に関して、商標登録されていますのでご注意ください!
- 登録番号:第5579112号
- 氏名又は名称:嶋津 久光
- 住所又は居所:福岡県久留米市
- 登録日:平成25(2013)年 5月 2日
- 更新登録日:令和5(2023)年 4月 18日
- 存続期間満了日:令和15(2033)年 5月 2日
商標登録(特許庁)
商標登録と言うのは特許庁の管轄で、あくまでも「呼び名」に関する権利で、商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するネーミングやマーク(識別標識)です。
※商標権の存続期間は、設定登録の日から10年で終了します。 ただし、商標は、事業者の営業活動によって蓄積された信用を保護することを目的としていますので、必要な場合には、存続期間の更新登録の申請によって10年の存続期間を何度でも更新することができます。
『種苗法』品種登録(農林水産省)
品種登録なのですが、こちらは農林水産省の管轄で、その作物自体の権利になります。
なので、勝手に挿し木や接ぎ木、種蒔き等で増殖すると、多額の損害賠償の対象になります。
育成者権の存続期間は登録日から25年又は30年 です。 ただし、存続期間内であっても、 ・定められた期間内に各年分の登録料が納付され ない場合 ・品種登録の要件を満たしていなかったことが判 明した場合 ・品種登録後に植物体の特性が保持されていな い場合 には、品種登録が取り消されます。
しっかり甘くて滑らかな酸味もありとても美味!
【ちゃぼさんのイチジク】
栽培方法 露地栽培 鉢植え 久留米くろあま
【植え付け・仕立て】
- 一般的には、一文字整枝または開心自然形が良いとされますが、【久留米くろあま】は、豊産生なのであまり気にしないで、スペースにあった仕立てで大丈夫だと思います。
- 1年目は収穫は考えず、土台となる樹の骨格を作ることを目的とします。
- 植え付け時に苗木を高さ50cm程度のところで切り戻し、そこから発生する新梢を自分の作りたい樹姿に必要な数だけ発生させます。その年の落葉後に、伸ばした各枝をさらに30cm程度の長さで切り戻して、結実準備が完了です。
【土壌・肥料・水やり】
- 日当たりの良い、水はけの良い用土に植え、特に植えてから最初の1年は、定期的に木に水を与えてください。【久留米くろあま】は、実付きが良いので、通常定植2年目くらいから実をつけ始めます。
- 発芽期の3~4月、特に乾燥する7~8月、9月上中旬は、土の乾き具合を見て5日に1回程度は水やりすると枝が良く伸び、実が甘くなります。
(※鉢植えでは、4~10月は1日1回、ただし夏には2回行う。冬は7~10日に1回行う。) - イチジクはあまり土を選ばないと言いますが、一般的に有機物が豊富で、わずかにアルカリ性で排水と通気の良い土壌が理想的です。
酸性土壌を嫌うのでPH7.0を目標に、冬に苦土石灰などをまいてで調整します。 - 肥料は5月はじめ【N/P/K=13/10/13の肥料(1~3年150g・ 4~6年450g )】と12月~1月に、有機配合肥料と苦土石灰を1㎡当たり150g施します。
(※鉢植えでは、植え付け1年目は5~10月まで1~2個。または緩効性化成肥料10~20gを2回。2年目以降は冬に油かすを50g、4~10月には毎月、化成肥料を5g程度施す。) - 果実は1枝に8~10個が適当です・実がたくさん付きすぎると栄養不足で成長しないので、早めに摘果します。
【害虫・病気・防寒対策】
- 【久留米くろあま】は、病害虫に強い品種ですので、日当たりと風通しをよくして、さび病が発生しないようにすることに気をつけてください。
- また、必ずカミキリムシ(テッポウムシ)予防のために、カットサイドSまたは予防フィルムを、幹に塗るか、見つけ次第捕殺してください。
幼虫は幹に入りおがくずのような糞を外に出すので枝を切り落とすか穴に【スミチオン1000培液】または、【住友化学園芸 殺虫剤 園芸用キンチョールE カミキリムシ 幼虫 退治】などを注入して退治します。 - 木の周りに防鳥網を設置するなどの鳥害対策、また果実に袋をかけて鳥や蟻から守ることも必要になります。
- 収穫は、果実が熟して木から落ちる直前が一番おいしいので、熟したものから順次摘み取ります。
- 耐寒性はやや弱い品種になりますので、東北地方太平洋沿岸部・関東~四国・九州の山間部以南の地域以外では、防寒対策が必要になります。
- 12月~2月に開心自然形では、込み合った枝を間引きする程度ですが、【久留米くろあま】は一文字整枝法にして強剪定をしても大丈夫です。
【水やり】について
イチジクの生産量第一位が、東ヨーロッパと西アジアにまたがるトルコで、次にエジプト、イランと続くので、乾燥した土壌に適しているように思われますが、それらの地域は、温暖ながら比較的降水量もあり肥沃な地帯なので、イチジクが乾燥に強いというわけでは決してありません。
逆に水は好む性質があるので、発芽期の3~4月、乾燥する7~8月には庭植えでも水遣りをすると枝が良く成長し、実が甘くなります。
特に日差しが強く乾燥しやすい夏場は、枯れることさえあるので、水はけのよすぎる土壌や、鉢での栽培では注意が必要です。
※ただし水はけが極端に悪い土壌では生育は著しく劣ります。